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カテゴリ:音楽( 1 )

フルート400年の旅

4月22日にはコンサートに行ってきました。
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有田氏のコンサートは初めてです。そんな自分にびっくり。
CDはたくさん持ってるのですっかりお馴染みの気がしていたのですね。
ワタシが学生の頃、まだトラベルソにまったく興味がなかった頃、コンベンション(神戸だったかな)でコンサートがあり、ワタシは行けなかったのですが友達が「バッハしはったんやけど調が違うねん・・・」と複雑な顔をしていた思い出があります。
あの頃はまだ関西の普通の音大生には古楽器やその奏法には縁がなかったのね・・・
しばらくしてCDが出て「笛にはこんな世界があったんや!」とびっくりしましたが
とても自分でやろうとは思えず。
そのうち「バロック音楽はその時代の奏法で」というブームがやってきて
有田氏のバッハの奏法についての講演があったりしてそれは何度か行った覚えがある。
自筆譜のレクチャーとかバロック時代の修辞法の話とか面白かった。でもコンサートは初めて。

有田氏がルネッサンスから現代に至るまでの曲をその時代に楽器で演奏するコンサートをされているのは知ってて、CDが出てるのも知ってたけどそれは買ってないな。

コンサートでは9本のフルートが使われました。
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「古い楽器ですから湿気が内部に残ったままだと割れちゃうかもしれないんです。もうすでに割れてるんですけども」
「どんどん持ち替えて演奏しますんで舞台上で掃除させてくださいね」
早口でしゃべり、ささっと動く有田氏。
掃除布がつまり気味で見てるほうがはらはらしてると
「この布ですねーウチの子のあかんぼ時代のオムツなんですよね。別にここで云わなくてもいいんですけど」

演奏に性格が現れる・・・かどうかは分りませんが演奏者の喋り方は現れます。
有田氏は見かけよりせっかちさんなのかなー
バッハについての講演のときはどっしり構えた感じの方でしたが。

バロックピッコロのソロで「恋のうぐいす」を演奏されたあと
「これはクープラン自身がフルートソロで演奏してもよい、と楽譜に書き込んでるんで。
でももともとはチェンバロソロの曲なんで、まあ、その、僕がですね、演奏しますね」
おぉ、夫人の登場かと思いきや。。。とてもステキな演奏でした。
しかし、笛のソロの「恋のうぐいす」はいいですね。和音がついてない分、鳥の鳴き声を写したところとか、かわいいのですよ。

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どの楽器も美しい音なんですが特に初期ベームフルートの複製はまじりっけなしの澄んだ光を思わせる響きでした。
ドンジョンのサロン・エチュードは「いわゆるフルート音楽」でしょもない、と思われがちですけど
こういう歌心のあるヒトの演奏はいいです。ちょっと感傷的な詩が付いているのですが、それにぴったりの演奏でした。こういう風に吹くんだね・・・(受験の時この曲が課題で、そのしょうもなさに目がくらんだ思い出が。現代の10代が分る世界ではないと今では思う。。。)
この辺は曲も短いから、さらっと美しくてよかったのですが
続くモーツァルトの息子のとドヴィエンヌはちょっと眠かった・・・
ここでこのコンサートの隠れた(?)売りでもあるホール所有のフォルテピアノを使われたのですが
非常に素朴な音に聞こえてしまう。
現代のピアノを聴きなれた耳にはちょっと素朴すぎるかな・・・
ホールでなくてサロンとか狭い空間のほうがいいのかもしれません。
曲もヴェルサイユ宮殿風の雅やかさは感じるんだけど、ちょっとだらだら長く感じる。
もともとじっと座って聞くタイプの音楽ではないから、寝てもしかたない(^^;)

最後に「冥」
これはほんとうにすごい演奏でした。
「シリンクス」もそうでしたけど「冥」にも有田氏は共感を感じていらっしゃるのでしょう。


トラベルソのレッスンに行くと「無理して鳴らさないように」とよく注意を受けるけど
(あ、そういえばワタシは孫弟子になるのか)
モダンフルートでは音がでかいのがいいことだと思われてるし、トラベルソにしてもCDで聞きなれると
弱音の美しさは身に染みてこない。
ささやくようなピアニシモが素晴らしいコンサートでした。
by fukumimi_0306 | 2009-04-23 22:40 | 音楽